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「知識を伝えるだけなら、AIでできる」——元高校教員が、20代で向き合っている「問い」の大きさ

「知識を伝えるだけなら、AIでできる」——元高校教員が、20代で向き合っている「問い」の大きさ

20代のキャリアは、たいてい「何をやったか」で語られます。どんなスキルを身につけたか、どのくらいの速さで役職が上がったか。

でも、人のキャリアを実際に動かしているのは、その人が抱えている「問い」なのかもしれません。

遠島律貴さんは、新卒で高校の英語教員になりました。3年間勤めたあとに退職し、バックパッカーとして旅をして、プログラミングのブートキャンプに参加。その後、Wantedly経由でキカガクと出会い、2023年12月に入社しました。現在はスクール事業部で講師・スクール運営に携わり、教育コンテンツを束ねています。

完全な異業種・未経験からのキャリアチェンジです。

ただ、話を聞いていて印象に残ったのは、経歴の振れ幅ではありませんでした。遠島さんが向き合ってきた問いが、段階を追って大きくなっていることでした。

自分について。職業について。事業について。市場について。

そして今、遠島さんが抱えている問いは、キカガクという会社がまだ答えを出しきれていない問いと、ほとんど同じサイズになっています。

この記事は、その4つの問いの記録です。


問い①「教える立場の自分は、生徒に還元できる経験を持てているのか」

遠島さんのキャリアは、高校の英語教員から始まりました。

教員時代のやりがいは、人の成長に間近で関われることでした。授業を通じて生徒が少しずつ変わっていく。節目には感謝の言葉をもらう。自分の関わりが、誰かの前進につながっていると感じられる仕事でした。

だからこそ、退職の理由は「教員の仕事が嫌だったから」ではありません。

遠島さんが感じていたのは、自分自身への問いでした。

教える立場にいる自分は、生徒に還元できるだけの経験を持てているのか。教育者として、もっと広い世界を見たうえで、言葉に重みを持たせたい。自分自身の実体験を増やし、それを教育に還元できる人になりたい。

そんな思いが、少しずつ大きくなっていきました。

これが、最初の問いです。対象は自分自身でした。


問い②「知識を伝えるだけならAIでできる。では、人が人に教える意味はどこにあるのか」

もうひとつの転機は、教員生活の最後の時期に訪れました。ChatGPTとの出会いです。

技術が教育のあり方を大きく変えていく可能性を、そこで感じたと言います。

知識を伝えるだけなら、AIやインターネットでできることは増えていく。では、人が人に教える意味はどこにあるのか。これからの時代に、教育者は何を届けるべきなのか。

問いの対象が、自分から「教育という職業そのもの」に移りました。

そして、この問いは当時の遠島さんにとって、その場では答えの出ないものでした。教員という立場のままでは、確かめる手段がなかったからです。

キャリアチェンジを後押ししたのは、この問いでした。


問いに答えるために、まず動いた

教員を辞めたあと、遠島さんはすぐに次の会社へ入ったわけではありません。昔からやりたかったバックパッカーとして世界を旅をした後、真っ先にプログラミングのブートキャンプに参加しました。

行動の根っこにあったのは、「気になったことは、とりあえずやってみる」という姿勢。

時間と一定の資金があるタイミングだからこそ、関心のあることに実際に触れてみる。外から眺めるだけではなく、自分の手を動かしてみる。そのうえで、自分に合うかどうかを判断する。

プログラミングも、そのひとつでした。

AIや技術への関心はあったものの、実際に学んでみなければ、自分がどこまで面白がれるのかはわかりません。ブートキャンプでの経験は、キカガクの事業と直接つながっていたわけではありませんが、遠島さんにとって視野を広げる大きな原体験になりました。

20代のキャリアでは、最初から正解を選ぼうとして動けなくなることがあります。

でも遠島さんの選択は、正解を先に見つけるというより、問いを持ったまま動いて、動きながら自分の輪郭を確かめていくものでした。


Wantedlyのスカウトから、技術と教育が重なる場所へ

キカガクとの出会いは、Wantedly経由のスカウトでした。

遠島さんが惹かれたのは、自分の関心領域である「技術」と「教育」が、キカガクでは高いレベルで重なっていたことです。入社前に wantedly などで読んだキカガクの記事に書かれていたのは、単にAIを教える会社としての姿ではなく、教育という事業に対する熱量や、学ぶ人の変化に向き合う姿勢でした。

遠島さんにとってキカガクは、「技術を教える会社」ではなく、「教育を通じて人の可能性を広げようとしている会社」に見えました。

2つ目の問いを確かめられる場所が、ここにありました。


問い③「なぜ受講生は、高い受講料を払ってキカガクを選ぶのか」

入社後、遠島さんはスクール事業部で講師・スクール運営に携わるようになりました。

そこで向き合うことになった問いは、シンプルではありません。

AIやインターネットの発展によって、学習リソースは溢れています。無料で見られる教材も、録画コンテンツも、検索すればいくらでも出てくる時代です。

そんな時代に、なぜ受講生は高い受講料を払ってキカガクを選ぶのか。

この問いを、遠島さんはとても大切にしています。

スクールの価値は、ただ技術をわかりやすく教えることだけではありません。もちろん、情報を体系化して届けることは重要です。一定の強制力がある環境で、学び続けるコミットメントを支えることにも価値があります。

でも、それだけでは十分ではない。

遠島さんが特に関心を持っているのは、同期型講義だからこそ生まれる体験設計です。

同じ時間に集まり、講師や仲間と学ぶからこそ、気づけることがある。自分ひとりでは見過ごしていた問いに出会うことがある。学習が、ただの知識習得ではなく、次の行動につながる瞬間がある。

遠島さんは、教育の本質を「きっかけを与えること」だと捉えています。

短期的にスキルが身につくことだけではなく、中長期的にその人の成長の種になる気づきを渡すこと。

だから、キカガクは単に技術をわかりやすく教えるだけのスクールにはなりたくない。

この言葉に、遠島さんの教育観が表れています。

そして注目してほしいのは、この問いが「自分の担当業務をどう良くするか」の問いではないことです。なぜこのスクールに価値があるのかという、事業そのものの存在理由を問う問いです。

問いの対象が、職業から事業に移っています。


受講生の覚悟に、何を返せるか

3つ目の問いに対し、遠島さんが今持っている答えの中心にあるのは「覚悟」という言葉です。

リーダーになり時間割や講師アサインも決められる立場になった今でも週に1回以上登壇し、受講生の反応や変化に触れています。

技術に対する不安、スクールに期待していること、学びながら変わっていく価値観。そうしたものを目の前で見続ける中で、たどり着いた言葉でした。

受講生は、時間もお金もかけてキカガクを選んでいます。現状を変えたい。新しいスキルを身につけたい。次のキャリアにつなげたい。そんな覚悟を持って申し込んでいます。

その覚悟に対して、こちらはどんな体験を返せるのか。

この問いが、遠島さんにとって教育コンサルタントとしての最大のミッションになっています。

そして、この答えにたどり着いたことで、見る範囲も変わりました。

スクール事業は、講義だけで成り立っているわけではありません。マーケティングがキカガクを知ってもらう。セールスが受講を決めるまで伴走する。そして教育コンサルタントが、受講生に価値を届ける。

受講生の覚悟に報いようとすると、この一連の流れ全体を見ないと答えが出せない。だから遠島さんは、事業全体を俯瞰するようになりました。

<<画像イメージ:オンライン講義で受講生に語りかける遠島さん。画面越しでも熱量が伝わる講義風景>>


問い④「変わり続ける市場で、教育として何を届けるべきか」

遠島さんは入社1年2ヶ月で、教育コンサル部門のリーダーになりました。

ただ、本人が「今がいちばん大きな壁」と話すのは、その先のことです。

スクール事業では、これまで主力だったカリキュラムを、今の市場環境や受講生の価値観に合わせて見直す必要が出てきています。

以前は、正社員登用やキャリアチェンジを前提にした学びが大きな軸でした。今は、AIをどう仕事に活かすか、自分の業務や組織の中でどう推進するかという関心が高まっています。受講生が求めているものが、数年で変わったのです。

そこでキカガクでは、「AI推進人材育成」や「LLM実践」など、新しい講座の検証と提供に取り組んでいます。

何を教えるべきか。どう教えるべきか。受講生にとって、本当に価値のある体験は何か。

答えが決まりきっていない問いに向き合いながら、新しいカリキュラムをつくり、実際の受講生に届け、改善していく。

技術が変わる。学び方が変わる。受講生の期待も変わる。その変化の中で、教育として何を届けるべきかを考え続けること。

これは、担当者の問いではありません。会社が答えを出さなければならない問いです。

遠島さんが今抱えているのは、そのサイズの問いです。


未経験かどうかより、問いを持てるか

最後に、未経験から新しい領域に挑戦したい20代へ、遠島さんにメッセージを聞きました。

返ってきたのは、「未経験かどうかは重要ではない」という言葉でした。

新しい分野に挑む覚悟があるなら、まず飛び込んでみる。もし合わないと感じたとしても、全力で向き合った経験は、自分の特性を知るための学びになります。

遠島さん自身も、教員を辞め、旅をし、プログラミングを学び、キカガクに入社しました。最初からすべてが一直線につながっていたわけではありません。

でも、気になったことに向き合い、自分で体験し、その都度考え続けたからこそ、今の教育観にたどり着いています。

教える側である自分自身が、常に変わり続け、学び続ける。

これは、遠島さんが大切にしている姿勢です。


20代が、このサイズの問いを持っている会社

遠島さんの4つの問いを、もう一度並べてみます。

  • 教える立場の自分は、生徒に還元できる経験を持てているのか
  • 知識を伝えるだけならAIでできる。では、人が人に教える意味はどこにあるのか
  • なぜ受講生は、高い受講料を払ってキカガクを選ぶのか
  • 変わり続ける市場で、教育として何を届けるべきか

最初は自分についての問いでした。それが職業についての問いになり、事業についての問いになり、今は市場についての問いになっています。

入社から2年半ほどの間に起きた変化です。

キカガクのミッションは「あるべき教育で、人の力を解放する」。コアバリューには「あるべき思考」。あるべき姿と現状のギャップを見つけて動くことを、行動の基準に置いている会社です。

遠島さんの歩みは、その言葉が実際に機能していることの記録でもあります。

もし今、未経験だからと一歩踏み出すことを迷っているなら。あるいは、今の仕事にやりがいはあるけれど、自分の問いを持て余していると感じているなら。

キカガクには、同じように問いを持ちながら、教育と技術の可能性に向き合っている人たちがいます。

このオウンドメディアでは、遠島さんのように、それぞれの原体験や軸を持ってキカガクに入社したメンバーのキャリア、働く中で見えてきたリアルを届けていきます。

求人票だけでは見えにくい、キカガクで働く人の熱量や価値観。それを、同じ20代の目線にも届く言葉で、これからも発信していきます。

キカガクでは、共に働く仲間を募集しています

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