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20代で事業を任されるまで。竹内駿さんが語る「できなかった自分」からの5年間
20代に、本当に事業を任せる会社なのか
「20代にも大きな裁量があります」
その言葉だけで信じるのは難しいと思います。どこまで任されるのか。どんな失敗を経験するのか。任される人は、最初から特別に優秀だったのか。
今回の記事で向き合いたいのは、その問いです。
話を聞いたのは、キカガクでソリューション部の事業オーナーを務める竹内駿さん。2021年5月に研修講師として入社し、リーダー、マネージャーを経て、現在は事業の方向性を考える立場を担っています。
この記事は、「若くして抜擢されたすごい人」の成功談ではありません。
むしろ、最初はできないことがたくさんあった一人の社員が、現場で失敗し、周囲から学び、徹底的に真似しながら、少しずつ任される範囲を広げていった話です。
この記事で伝えたい「20代に任せる」は、華やかなスローガンではありません。
責任を引き受け、問いを持ち、顧客と組織に向き合い続ける人に、事業を渡していくということです。
最初から、できたわけではありませんでした
竹内さんがキカガクに入社したのは2021年5月です。
前職では営業を経験。大学時代には4年間、塾講師のアルバイトをしていました。教育に関心を持った背景には、大学受験をゴールにする教育への違和感がありました。
社会に出てからAIやデータサイエンスを活用する。そのために、実務から逆算して学びを設計する。キカガクの考え方に触れたとき、自分が向き合いたい教育に近いと感じたそうです。
入社当時のキカガクは、今よりもずっと小さな組織でした。講師は8名ほど。研修の数も3〜4つほど。完成された仕組みの中で役割を渡されるというより、必要なものを現場で作りながら進むフェーズでした。
そこで竹内さんが最初にぶつかったのが、プロジェクトマネジメントの壁です。
社外とのコミュニケーション。計画の立て方。関係者の巻き込み方。納期や品質を守るために、どこで何を確認すべきか。
いち講師として受講生に向き合う力とは、また違う力が求められました。入社1年足らずのタイミングで、経験不足から多くの失敗をしたといいます。
ここで大事なのは、竹内さんが「できなかった自分」を隠していないことです。
最初から完璧だったわけではない。むしろ、できないことがあったからこそ、周囲のやり方を見て、真似して、試して、失敗のパターンを一つずつ学んでいきました。

TTPは、真似で終わらせないための学び方でした
竹内さんが壁を越えるうえで大事にしていたのが、TTP(徹底的にパクる/真似る)です。
ただし、ここでいう真似とは、表面的に誰かのやり方をコピーすることではありません。上長や周囲の人が、なぜその順番で確認するのか。なぜその言葉で顧客に伝えるのか。なぜそのタイミングで関係者を巻き込むのか。やり方の奥にある判断基準まで含めて、自分の中に取り込んでいくことです。
キカガクでは、知識やスキルがまだ足りないことだけを理由に、挑戦を止められることは少なかったそうです。一方で、放任ではありません。
上長やメンバーからフィードバックを受ける。現場で試す。うまくいかなかった理由を振り返る。次の案件で修正する。
この繰り返しが、竹内さんにとっての成長環境でした。
「任せる」と聞くと、いきなり一人で放り出されるイメージを持つ人もいるかもしれません。でも、竹内さんの話から見えたのは、任せることと支えることが同時にある環境です。
手を挙げる機会がある。試せる余白がある。失敗したときに、学びに変えるためのフィードバックがある。
だから、挑戦が一回きりの賭けではなく、再現可能な力に変わっていきます。

「自分の影響範囲を広げられるか」で仕事を選んできた
竹内さんの話の中で、何度も出てきた視点があります。
それは、自分が与えられる影響範囲をどれだけ広げられるか、という考え方です。
得意なことだけを選べば、短期的には失敗が少なくなります。慣れた領域にいれば、安心感もあります。
でも竹内さんは、自分の現時点の得意不得意だけで、挑戦する対象を決めていませんでした。
未経験の領域でも、会社や顧客、自分自身にとって意味があると思えばやってみる。反対に、伸びしろが低いと判断したものは、早めに切り替える。
その判断軸は、「自分がどれだけ成長できるか」だけではありません。
自分の知識やスキルが、どれだけ深く、どれだけ広く、顧客や組織に影響を与えられるか。そこを見ていました。
キカガクにおける裁量は、「好きなことを自由にやれる」という意味ではありません。
顧客にとって必要なことは何か。組織として今、取り組むべきことは何か。その問いに対して、自分の責任で考え、手を動かす余地があるということです。
竹内さんのキャリアは、その余地を一つずつ広げてきた時間でした。

「任された」と感じたのは、事業の目的を考える立場になったとき
講師からリーダーへ。リーダーからマネージャーへ。そして事業オーナーへ。
役割が変わるたびに、竹内さんの責任範囲も変わっていきました。
特に大きな転換点は、事業の存在意義を考える立場になったことです。
これまでは、目の前の案件をどう成功させるか、メンバーをどう育成するかといった責任が中心でした。もちろん、それだけでも簡単な仕事ではありません。
しかし事業オーナーになると、「そもそもこの事業は何のためにあるのか」「これから何をやるべきなのか」を決める側になります。
一つの意思決定が、事業の前工程にも後工程にも影響します。経営層からは、アウトカムや投資対効果も問われます。人件費を含めた投資に対して、最終的にどんな価値を生み出すのか。
竹内さんは、その感覚を「小さな会社を経営しているような感覚に近い」と話していました。
ここで求められるのは、目の前のタスクを正確にこなす力だけではありません。
現在のクライアント動向をつかむこと。市場の変化を見立てること。組織として取り組むべき課題を再定義すること。そして、経営層が逐一介入しなくても、自律的に方向性を決め、メンバーを巻き込んで進めること。
つまり、答えを実行する人から、問いを立てる人へ。
竹内さんのキャリアの変化は、その移行でもありました。

なぜ竹内さんに任されたのか
29歳で事業を任される。
この事実だけを見ると、若手抜擢の華やかな話に見えるかもしれません。でも、インタビューを通じて見えてきたのは、もっと地に足のついた理由でした。
竹内さんは、現場で顧客に近い立場に立ち続けてきました。
研修の現場で受講生や企業の課題に触れる。クライアントが何に困っているのかを知る。AIやデータサイエンスを学ぶことが、実務のどこで壁にぶつかるのかを見る。
その積み重ねが、市場の変化を解像度高く捉える力につながっていきました。
事業オーナーに必要なのは、単に「今ある事業をうまく回す力」だけではありません。2〜3年先を見据え、次に組織が向き合うべき問いを見つける力です。
竹内さん自身も、これからは現場の解像度を保ちながら、中長期の経営視点をさらに持つ必要があると話していました。
ここにも、キカガクらしい誠実さがあります。
若手に任せる。けれど、任せたら終わりではない。本人も組織も、次の視座を持つために学び続ける。
完成された人を抜擢するのではなく、問いを持ち、現場から学び、責任の範囲を広げ続ける人に、次の役割を渡していく。
竹内さんの話からは、そんな組織のあり方が見えました。
20代に任せる会社で働くということ
キカガクが扱っているのは、決まった商材をそのまま売る仕事ではありません。
DXやAI活用という領域で、顧客ごとに異なる課題に向き合い、何が必要なのかを考えます。
だからこそ、最初から正解が用意されているわけではありません。
クライアントの課題を聞く。背景を考える。必要なら、既存の方法にとらわれず、最適な手段を選ぶ。AIやデジタルを使うこと自体を目的にせず、目的に対して何が最も価値を生むのかを問い続ける。
これは、簡単な仕事ではありません。
でも、決まった型を当てはめるだけではなく、顧客の課題解決のために深く考えたい人にとっては、面白い環境です。
思考と行動の量を積み重ねることで、最初は個人の仕事だったものが、チームや組織へと影響範囲を広げていく。
竹内さんの5年間は、その道筋を示しているように思います。
最初から完璧でなくていい。ただ、問い続ける人であってほしい
この記事を、最終面接前の候補者の方が読んでいるとしたら、伝えたいことがあります。
キカガクは、完成された人だけを求めているわけではありません。
もちろん、すべてが手取り足取り整っている環境でもありません。自分で考え、動き、周囲からフィードバックを受けながら前に進む必要があります。できないことにも向き合う場面があります。
それでも、竹内さんの話は、一つの希望でもあります。
最初から何でもできなくていい。できないことを認め、周囲から学び、徹底的に真似し、顧客に近い場所で問いを持ち続ける。その積み重ねが、やがて事業を任される力になっていく。
キカガクで働く面白さは、仕組みの中の歯車になることではなく、仕組みを作る側に回れることにあります。
顧客の課題に深く向き合いたい人。教育やAIの社会実装に、本質から関わりたい人。自分の仕事の影響範囲を、個人からチームへ、チームから事業へ広げていきたい人。
そんな人にとって、キカガクはきっと、面白い挑戦の場になるはずです。

